マッチングアプリで出会った「パティシエのオタクくん」

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私は宮城県に住む20代です。実家は福島県ですが、現在はパートナーと一緒に宮城県に住んでいます。2人とも福島県出身なのですが、彼の仕事の関係上、こちらに引っ越してきました。出会いはマッチングアプリでした。元々出会いの少ない職場を転々としていたので、マッチングアプリでしか出会いがなかったのです。

マッチングアプリにはさまざまな方がいました。明らかに体目当てで登録している人や、真剣なお付き合いを考えている人、単純に友達を作りたい人など。昔、私は精神的に病んでいて「体だけの関係性でもいいや」と自暴自棄になっていました。そのため、体目当ての方とマッチングし、実際に会ってそのままホテルへ…ということも少なくありませんでした。

そんな中で出会ったのが今の彼です。彼と出会う前、同じようにマッチングアプリで出会った人に片思いをしており、何度かデートを重ねていたのですが、「自分のタイプじゃない」と交際を断られ続けていました。なのにデートに誘っていたのは、単純に寂しかったからでしょう。あまり友達がいない感じの人でしたから。

私はそんな関係でいるのがとても辛かったです。明らかに振り回されているのに、自分だけ恋愛感情がある…だから思い切って伝えたのです。「『ごめん、君とは付き合えない』って言って」と。彼はしぶしぶ了承しました。ここでフラれていなかったら、今もその関係性のままだったかもしれません。

よく分からない交友関係も終わり、私はやっと解放されました。それと同時に「やっぱり恋人が欲しい…」という寂しさも襲ってきます。私はまたマッチングアプリを再開しました。今度こそ「運命の出会い」をしようと。私は昔から振り回される恋愛しかしてきませんでした。はじめてできた恋人は6年間付き合った末に浮気され、その次にできた恋人は遠く離れた京都に住む15歳以上歳の離れた人…北海道に住む恋人ができた時も必ず自分から会いに行っていました。

今度こそ報われる恋がしたい…そう思いながらマッチングアプリをしていると、面白そうな人に出会いました。プロフィール欄には自分の好きなアニメや特撮作品、芸人などをズラリと並べていて、最後の方に「一応パティシエをやっています」という文が添えられていました。普通だったら最初に書くはずの職業を(しかもパティシエなんて女の子がすぐ飛びついてくる職業なのに!)申し訳程度に載せていました。

私は迷わず「いいね」を送りました。こうすることで相手からも私を認知してくれて、それに「いいね」で返してくれたらマッチング成功です。結果は…「マッチング成功」。正直嬉しさよりも、面白さが勝っていました。どんな人なんだろう…こんなに詳細なプロフィールなのに、大事な「パティシエ」を最初に持ってこない人…。

やりとりをしてみて、「パティシエ」という肩書きはそんなに大したものじゃないと彼は思っているようでした。実際、やりとりの内容はアニメや特撮の話ばかりでしたし、仕事内容もほとんど教えてくれない。私はアニメや特撮が詳しいわけではないのですが、それでも興味はあったので色々と話を聞きました。趣味の話を振ると、嬉々として教えてくれる。彼は「パティシエ」ですが、それ以上に「ただのオタクくん」でもあったのです。

でも、私にはそれが魅力的に映りました。私自身もオタク気質で、好きな芸人やアーティストのことを詳しく調べたり、実際にライブに行ったりするほどのファンでした。だから「気持ちはよく分かる…」と妙に納得していました。彼も芸人が好きなので、その話題で盛り上がりましたし、私が芸人について熱く語っても引かないで聞いてくれました。

そこからの展開は早かったです。マッチングしてから通話までは1週間後、実際に会うのは2週間後とトントン拍子で話が進んでいきました。私は人混みが苦手だったので(あとコロナの感染予防で人が集まるところへあまり行きたくなかった)、会うならそのままホテルへ行ってしまおうという流れになりました。それからはもう…お察しの通りです。彼の方から告白された後にベッドへ行ったので、一応お互い同意の上です。

実際に会った彼はやっぱりオタクくんで、ぱっと見だとパティシエとは思えませんでした。でもしっかりパティシエとして働いており、2回目のデートの時には自分で焼いたお菓子を持ってきてくれました。そのお菓子がとても美味しくて、それが思い出の味になっています。今でもたまに職場から余ったお菓子を持ってきてくれるのですが、全部美味しい。「無料で美味しいものが食べられる」というおいしい思いもできて、正直付き合えて良かったなと思います。

それから半年後に同棲をスタートさせ、現在に至ります。彼は片付けが本当にできないので、家事や掃除などは私が担当しているのですが、最近やっと分別というものを覚えました。「1人だとゴミ部屋にしてしまう」と言っていたので、大きな一歩です。彼とはお笑いのツボが似ているので、一緒に芸人の動画を見てゲラゲラ笑っています。私の好きな芸人のネタで腹を抱えて笑っているのを見た時、「この人と付き合えて良かったな」としみじみ思いました。

お互いダメなところが多く、そのせいで行き違いがあったりもするのですが、お互いがお互いのダメなところを埋めてあげられるように頑張っています。私は同棲すること自体初めてだったのですが、「こんなに楽しい生活があったなんて知らなかった…」と思ってしまうくらい、楽しく毎日を過ごしています。凸凹コンビですが、これからもずっとこんな風に過ごしていければいいなあ。

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